あけましておめでとうございます。
新年一発目の更新はこちら。
コトブキヤさんの『アルカナディア ヴェルルッタ』、軽いキットレビュー及び作成記事となります。
去年一発目の記事もプラモデルだったような。
積みプラへの罪悪感が年末に、今年こそはプラモ作ろう!の意気込みが年始に喚起されるため、この時期はモチベーションが高いんでしょうね。休みもありますし。
ずっとこうだったらいいのに。
開封編
ランナー少なっ!!
同社『フレームアームズ・ガール』や『メガミデバイス』のミチミチな詰め込みぷりに比し、たまらず声が漏れてしまうほどの少なさ。
『アルカナディア』はファンタジー異種族がモチーフのブランドなのですが、メカ物じゃなくなるだけでここまでパーツが減るんですねー。
表情四種および塗装済みパーツ。分割による色分けが叶わなかった箇所も極力フォローされています。
仮組みを行っていないので無塗装状態の完成写真を出せないのが残念ですが、色が足りなかったのは耳のピアスと、膝部装甲のジェム部あたりかな。
悪魔モチーフならではの鋭角的なパーツが多い故、破損に十分注意する必要があるのと、組んでる最中に手がチクチクするのが少し厄介なものの、「完成までの速さ」「色分けの緻密さ」「素組みでの可愛さ」の三点が高次で纏まった素敵なキット。
プラモデル初心者の方でも、さほど苦もなく完成させられるのではないでしょうか。
苦労したところ
「べる様は初心者にやさしい」的なことを上では書いてきました。が、塗装するとなると、途端に難易度の上がる箇所が散見されます。正にかわいくてもデーモン。
両腕
袖部にL字型の合わせ目が発生してしまいます。
伝家の宝刀・見ないフリ正宗を抜くには目立つ箇所なので、消しにかかるのですが……
ひとたびここを接着すると、腕のリングが二度と外せなくなるんですね。
したがって「合わせ目を消し、袖とリングの塗り分けで苦労する」か「袖とリングを楽に塗り分け、合わせ目を諦める」の二択を迫られることになります。悪魔的!
しばし熟考ののち、結局は一度全体を染めた後、筆でリングだけを塗りました。シタデルカラーのRETRIBUTOR ARMOUR、またお前に助けられちまったな……
塗装済み脚装甲
無塗装で組むには心強い味方だが、塗装となると只の分かれていないパーツでしかなく、厄介な敵。
美しく塗り分けられている本商品の目玉なのでそのまま使うのもアリとは思いますが、自前でエアブラシ塗装したパーツと同居させると、どうしても色や質感が浮くので……
これまたL字の目立つ合わせ目が発生するため、消す意味でもやはり塗装。
鬼門の曲線マステ貼りが大量に発生するし、塗装済みパーツのぶん価格が上がっているキットなので、勿体無さによる精神的ダメージが……
膝部ジェ厶パーツ
え、パーツだったのこれ!?と二度見したやつ。
アーマード・コアのキットにはこういうのが沢山付いていたんだとか。恐ろしい。
極めて小さく特徴も薄い形状のため、ランナーから切り離して数日置こうものなら、人間の目は容赦なくプラスチック屑と認識し捨ててしまうでしょう。
私自身、制作中に「失くした!?!?!?!?」と2回ほど心臓がバクバクしました。
ヴェルルッタを塗装で仕上げた人なら、この3箇所は「うわ〜めんどくせえ〜〜!!」って絶対なったハズ。
他のべる様マスターはどう乗り切ったのか興味深いので、もしいたらコメント欄やリプライで教えてください。
活躍したアイテム達
ガイアノーツ プリズムブルーブラック
ガイアノーツさんが定期的にリリースしている、特殊なお高い塗料シリーズのひとつ。
公式によると「黒から紺に変化する偏光パールです。紺色のメタリックとして使うのはもちろん、黒の代わりに使用することで表現の幅が広がります」との事。
バンシィやクロスボーンガンダムX2のような、黒いMSに高級感を出すため使う人が多いようで、べる様のメインカラーにもいいんじゃない??と考え購入。
おもむろに希釈し吹き付けてみたところ、あれ??なんかただの黒だぞ????
確かにプリズミックではあるがブルーは何処に行ったんだよ!!!と騙されたような気持ちになったので、瓶を傾けてみると……
沈んでいるッ!!底に!ブルーが!!!
このプリズムブルーブラック、ブルー部分の沈殿具合が一般塗料の比ではなく、10分程度は振らないとちっとも混ざってくれません。10分もボトルを振っていたら手がとても疲れますし、仮面ライダービルドも明日の地球を投げ出してしまいます。おとなしく調色スティックを使いましょう。
しっかり混ざっていればこの通り、プリズムでブルーでブラックな発色が得られます。写真では伝わらないですが偏光塗料なので、見る角度で黒かったり青かったり中間色だったりする独特の趣があり、平たく言えばすげーキレイ。
高いですが見合っただけの効果ははある塗料。オススメ。
タミヤ ウェザリングマスターH
粉末を擦り付けてウェザリングを施す、超メジャーなマテリアル。
泥汚れ、砂埃、煤け、錆びといった男くさい表現に使われるアイテムでしたが、近年の美少女プラモデル隆盛により、肌の陰影に適したHセットの需要が急上昇。ショップでもHセットだけ品薄……なんてこともよくありました。通し番号がHなのはたまたまなのか狙っていたのか気になります。
まずはつや消しを吹く。これで表面がザラつき、粉が付着するように。
肌部分は塗装しておらず、キット成形色のまま。
↓
窪み部分に沿って、細筆などでペールオレンジを乗せる
↓
先程のペールオレンジの上から、心もち範囲を広げつつピーチを乗せる
↓
再びつや消しを吹く。これで粉が完全に定着。
この4ステップで、
こうなります。
目に見えて効果出てるジャン!!
実はウェザリングマスターHを仕上げに使うのは今回が初めてなのですが、肌部分のセクシー係数が格段に上昇しますね。みんな買ってるワケだぜHなウェザリングマスターを……
はみ出しちゃってもメラミンスポンジで軽くこすって落とせるので、最後のつや消しで定着させる前ならいくらでもやり直しが効くのもグッド。
ローリスク・ハイリターン。私の好きな言葉です。
山善 食器乾燥機
食器乾燥に用いるには温度も容量も半端であったが、塗装中プラモデルのドライブースには最適な用途を見出され、模型界隈での需要が急上昇。ガーターかと思ったら隣のレーンでストライクになっていたような商品です。
「ヨドバシカメラのプラモデルコーナーで売られていた」「amazonレビューもほぼ模型乾燥の使い勝手」「食器乾燥に使いましたとツイートすると公式アカウントからお礼を言われる」などと、逸話にも事欠かず。
amazonブラックフライデーで安かったからつい買ってしまった、食器を乾かすのに使われない事で有名な山善の食器乾燥機が届いた。 pic.twitter.com/EbML451MBr
— でるた (@delta0401) 2022年12月1日
という訳で私も山善デビューを果たしたのですが……メチャクチャ便利だこれ!!!
サフ吹き→本塗装をはじめ、グラデーション塗装やメタリック塗装のような「塗料の上に別の塗料を重ねる」系の工程で乾燥速度が上がる恩恵はとても大きく、モチベを切らさないうちにどんどん先へ進めます。短時間でしっかり乾いてくれるため、塗りたてのパーツを見ていると触りたくて仕方なくなり、「もう乾いたやろ……」とうっかり触っては指紋をつけがちな人にもオススメ。
クレオスのMr.トラの手ステーションがぴったりハマってしまうのには笑った。
持ち手の長さも天井に干渉しない塩梅だし、まるで森羅万象あらゆる事象が、食器ではなく模型を乾かせと告げているよう。
食器乾燥機としては尊厳破壊もいいところですが、商品を開発された山善の人はどんな気持ちなのでしょうか。
完成編
あまりにも便利だったので長々とツールの話をしてしまいましたが、ここからは再びべる様のターン!
プリズムブルーブラックで塗装し、ウェザリングマスターHで陰影を付け、山善食器乾燥機で乾かされた『アルカナディア ヴェルルッタ』、完成です。
やったーカワイイー!カッコイイー!!
プリズムブルーブラックが期待通りの発色で大満足。差し色がもう少し欲しくなったので、ティアラをシルバー、リボンをレッドへとアレンジしてみました。
ピアスは耳と一体成型されていたのがしっくりこなかったので、一度削ったのち、それっぽいメタルパーツを接着(ハイキューパーツのVCドームだったかな)。中々いいアクセントになったのではないかなと。
袖の合わせ目も消えてて一安心。
翼膜にはパープルを吹いてみた。
槍アクションをさせたくなる子ではあるのですが、フル装備状態では鋭角的なパーツが多いため、干渉し折れてしまわないか気を遣う……塗装剥げもコワイ。
軽装モード。正しくは両腕及び右足のアーマーも素体へと差し替えるのですが、フル装備状態でしか飾らないだろうなと思ったので今回は作っていません。
外したスカートと槍が合体してパラソルに。
猫ちゃんとあそぶべる様
猫ちゃんはなかまをよんだ!
ネコと和解せよ
「選べないのだ……」
以上、コトブキヤの『アルカナディア ヴェルルッタ』でした。
美少女プラモ界のトップランナー・コトブキヤ2022年末最新商品の部類だけあり、可愛さへのさらなる研鑽が随所に感じられる、大満足の好キット。
現在では店頭からほぼ消えてしまいましたが、早くも5月に再販が決定。6月にはシリーズ三体目・きつね巫女さんのユクモちゃんも発売となりますので、アルカナディア、ビビッとキた方はお迎えしてみてはいかがでしょうか。
山善の食器乾燥機もオススメですよ!